ジャズ総合情報 ＠jazz - オーディオ入門 ( Audio Seminar ) デジタルとアナログ 【その１】

第５回 オーディオ講座
〜 デジタルとアナログ 【その１】 〜

「音」は一般的に「波形」で表すことができます。この「波形」をそのまま記憶するのがアナログ録音です。元の波形をそのまま記憶するのですから音質も良いような気がしますが、アナログのデータは再現するプロセスにおいて劣化が生じてしまい雑音が混じってしまいます。ところがデジタルのデータは再現するプロセスにおいて劣化が少ないのでより雑音を含まない元の音に近いかたちでの再生が可能となります。
さらに、アナログ録音されたものをコピーするとどんどんと元の波形が崩れ、音質が劣化してしまいます。一方のデジタル録音は、この波形を細かく区切り数値化することにより録音します。この数値はコピーしても変わらないため、音質が劣化することがありません。また容易にパソコンに取り込んで加工することもできます。
またデジタルの音質は「bit」と「kHz」で表すことができます。「bit」とは音の大きさをどれくらいの諧調で表現しているかということです。また「kHz」とは１秒間を何回に分けてデジタル化しているかという事で、どちらも数値が高いほど高音質ということになります。

ミュージシャンの必需品、PCMレコーダー

「リニアＰＣＭレコーダー」。
ジャズミュージシャンにおいては持っていない人がいないといっても過言ではないほどの必需品です。ジャムセッションやライブにいくとメンバーの誰もがいそいそと自分のPCMレコーダーを取り出し、セッティングするという風景を目にします。
少し前はこれがMDだったように思うのですが、どうしてミュージシャンたちはPCMレコーダーに移行したのでしょうか。 １番の理由は、「よい音」での録音が可能になったから。では音楽用録音機と高音質の歴史を見てみましょう。
そもそも携帯できる録音機器といえば、ソニーの「ウォークマン」ですね。
初めは再生専用のカセットプレーヤーとして使われていましたが、数年経つと録音機能が搭載されました。
その後、ＭＤの時代がやってきて、まもなくＭＤ録音機が開発され、圧縮とはいえデジタルのクリアな音質が録音に新たなステップを与えました。そして、ＤＡＴ（デジタル・オーディオ・テープ）も録音の歴史の重要な担い手です。ＤＡＴはデジタル録音ができるテープメディア。すぐにDATを使う録音機が発売され、その高音質は評判を呼びました。しかし、著作権問題が発生し、あえなくDATは姿を消します。
その後録音市場は、語学の勉強用を始め、お稽古の録音、会議録というところに絞られたICレコーダーは登場するものの、高音質を追求した音楽用のレコーダーが作られることはありませんでした。

　しかし、近年バンドブームや音楽人口の増加に伴い、音楽用録音機に対するニーズが高まりました。それに応える形でＰＣＭレコーダーが登場し、大きな話題を呼んだのです。
PCMレコーダーと従来の録音機の一番の違い。それは圧縮にあります。圧縮とはデータの内容を保ったまま、容量を削る処理のこと。従来、音声メディアは圧縮して記録するものがほとんどでした。圧縮によって、音質は格段に劣化しましたが、それでも使い続けていたのには理由がありました。
それは、長時間の録音に必要な多くの半導体メモリーが、当時はまだ高価だったため。
しかし、近年メモリー容量を多くしてもリーズナブルな価格に抑えられるほど半導体メモリーの価格が下がり、そのことが非圧縮のリニアＰＣＭの誕生につながりました。大容量の半導体を搭載することで、圧縮しない良い音での録音が可能になったのです。

CDを超えた、24bit/96kHz

リニアＰＣＭの中にはＣＤを超える音質のものがあります。それが「24bit/96kHz」のフォーマット。
一般的なＣＤはもちろん非圧縮。フォーマットは「16bit/44kHz」。どういうことかというと、44.1kHzサンプリングに対し16ビット、つまり１秒間を４万4000単位で区別し、さらに一つの単位時間に小さい音から大きい音までを16ビットの階調で、つまり５万6000階調で表現しているという意味です。それがCD。
　対するリニアPCMでもいくつかフォーマットの種類がありますが、基本的にはサンプリング周波数が高ければ高いほど、ビット数が多ければ多いほど、音の質は高く、「よい音」が録音できます。４万4000回より９万6000回のほうがさらに細かく音を分析でき、その分析により、16ビットより24ビットのほうがより音の繊細な表現が可能になるということです。 現在では、このような驚異的な高機能を持つレコーダーが製品化されているのです。

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ぜひ一度、ご自分の演奏を高音質な音で聴いてみてはいかがでしょう。

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第１回  超入門

第２回  基本の３装置 （スピーカー・アンプ・プレーヤー）

第３回  アンプの基礎 （ 取材協力：株式会社トライオード）

第４回  プレーヤーの基礎 （プレーヤーの性能は？）

第５回  デジタルとアナログ 【その１】

第６回  デジタルとアナログ 【その２】

PCオーディオ入門講座        関連ページへ >>

第１回  PCオーディオを楽しみたい！

第２回  ネットワークオーディオってなんだろう

第３回  スピーカーの選び方  （ 取材協力 ： JBL )

第４回  自分に合ったスピーカーの見つけ方  （ 取材協力：ELAC ）

第５回  USB-DAC ・ ハイレゾ音源  （ 取材協力：ONKYO )

第６回  音源 ・ リッピング

第７回  音源圧縮

第８回  iPhone、iPad、iPod touch がリモコンになる !?

第９回  インターネットラジオ 【その１】

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PCオーディオ入門講座 【 動画編 】

Dr.泉川が解説！ PCオーディオ入門講座

Dr.泉川が解説！ marantz NA7004 を使いこなす！

   

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＠ジャズお勧めオーディオ情報 / 試聴レポート

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オーディオ入門講座

第１回 超入門

良い音とは？ 〜コンセントにもプラスとマイナスがある！？〜

第２回 基本の３装置 （スピーカー・アンプ・プレーヤー）

５・３・２の法則とは？ 〜お金をかけるべき割合〜　スピーカーのセッテング

第３回 アンプの基礎 （プリアンプとパワーアンプ）

真空管 ＶＳ トランジスタ 〜取材協力：株式会社トライオード 山崎社長〜

第４回 プレーヤーの基礎 （プレーヤーの性能は？）

カタログスペックの見方　〜ダイナミックレンジ、高調波歪率〜

第５回 デジタルとアナログ 【その１】

話題の24bit/96kHz対応、リニアPCMレコーダーに迫る

第６回 デジタルとアナログ 【その２】

結局どちらのほうが音が良いのか？ なぜCDは７４分？

PCオーディオ入門講座

第１回 PCオーディオを楽しみたい！

PCの中の音楽を良い音で聴くには？

第２回 ネットワークオーディオってなん だろう

新しい音楽の楽しみ方に迫る！

第３回 特別講座 スピーカー 【その１】

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第４回 特別講座 スピーカー 【その２】

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第６回 音源 ・ リッピング

音源はどうやって手に入れるの？

第７回 音源圧縮

様々な音声圧縮方式

第８回 iPhone、iPad、iPod touch がリモコンになる !?

ワイヤレスでiTunesを操作！

第９回 インターネットラジオ 【その１】

インターネットで音楽を楽しもう！

第１０回 インターネットラジオ 【その２】

インターネットラジオをさらに詳しく！