Coltrane Naked
★★★★★ 2012/1/10
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By h.hiroshi -
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コルトレーンの心がなんの衒いもなく記録された、まさに裸のコルトレーンたる一枚。
四人が一体となって繰り広げるコルトレーンの心象風景はおよそ考え得る限りの高みにまで登りつめ、深みにまで達する。
コルトレーンの胸中から溢れ出す神への敬虔な思いと愛への限りなき憧れは、堰き止める術もなく、サックスの咆哮となって聴く者の心を震わせる。
「コンセプトアルバムとしてのイノベータ」
★★★★☆ 2010/10/25
11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 駄らいぐまぁ -
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所謂コンセプト・アルバムという形態を取った形のものでは、初期のものになるのではないだろうか?それまでJazzミュージックは1曲完結型で、アルバム制作に対する方向性はそれぞれにあったとしても、各曲演奏がそこで完結してしまう形がスタンダードであり、くらっシック音楽のような組曲形式のものは皆無であった。その意味でこのアルバムは、Jazzアルバムとして一枚を通して一つのコンセプトに基づいて作られたものとしては、初めてのものではなかろうか。
コルトレーンのインプロビゼーションの特徴は、よく言われる”シーツ・オブ・サウンド”といわれる、いわゆる”全般に敷き詰められた音の洪水”的な形態で、このアルバムも例外ではないのだが、フレーズを聞き取ると同じような音列を何度も並べたようなフレーズを繰り返し、展開を図るケースが多い。単純なビ・バップ、ハード・バップのインプロバイザーの、コード進行/メロディからの展開から考えると、方法論的にユニークな方法といえるだろう。ソニー・ロリンズもテーマをモチーフに徐々に変化させるような手法をとってはいるが、音の間の空け方が前述のようにかなり異なるものである。
競演がマッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)、エルビン・ジョーンズ(dr)と、コルトレーン版”魔のリズム隊”も、強力なバックアップを見せる。