「ブルージー、ファンキー、単なる”ハードバップの名演”だけでは勿体無い名盤」
★★★★☆ 2010/11/10
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By 駄らいぐまぁ -
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有名すぎるジャズスタンダードナンバー、「Moanin'」のイントロが流れてきた途端に、”あ、Jazzだ!”と誰もが思うに違いない。余りに多様化し、Jazzの定義が難しくなった現代でも、このアルバムを聞けばきっと”Jazzだ”という認識は変わらないだろう。タイトでかつゴージャスなロールが飛び交うブレイキーのドラムに、ブラックさ溢れるボビー・ティモンズのピアノ、そしてフロントマンはリー・モーガンとベニー・ゴルソントという、どちらもハード・バップ期にその名を馳せたビッグネーム。これだけ豪華なメンバーをそろえながら、やはりサウンドの鍵を握るのはブレイキーだ。どんなに派手なプレーをしようが、決して他のアーティストが前に出ない彼の統率力は、ある意味大したものだ。
コンテンポラリーという先進性には付与しないものの、ビ・バップから一歩抜け出したじゃジー名だけでないブルージー、ファンキーな雰囲気を一度に楽しめる、贅沢な一枚だ。