Jon Burr Discography

Very Good Year


伝統的なジャズながらも マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレイン、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ジョー・ヘンダーソン、クインシー・ジョーンズ、エルヴィン・ジョーンズ、チャーリー・ミンガス、ホーレス・シルバーそしてアート・ブレイキーなどの影響を受けたこのアルバムはポストモダンジャズの決定版となった。



 当アルバムの多くの作品はいわゆるジャズスタンダードのコード進行に基づいて構成されている。



 バンドリーダーでベース担当のジョン・バーの書いた「All The Things You Ate」「Cherry Keys」「Savoy Fare」そして「Out Of This Word」、そしてピアノ担当のマイク・エクロスの「Always Let Me Go」はオリジナルタイトル(「All The Things You Are」「Cherokee」「Stompin’ At The Savoy」「Out Of This World」「Never Let Me Go) )と同じコード進行を用いった作品になっている。 長年のこのようなコード進行で演奏しているうちに、バンドのメンバー達は独自の新鮮なハーモー二ーを発展させ、伝統的であるものの画期的な作品を作りあげた。



 新しいメロディを、良く知られたコード進行を取り入れて作り出す事は芸術の表現方法であると共に、昔はレコード会社の重役との著作権問題を避けるために良くやっていた事で、ジャズの世界ではそれらが深く根付いている。ジョン・バー・クインテットのメンバーが行ったコード進行の変更は(例えばベースのコードの所々に7度を付け加える事など)明らかにわかるものではなく、他のベテランメンバーでも初めは気がつかないほどのものである。



 ジョンがアレンジをしたカバーソングはバンドのフィーリングに良く合っているもので、良く知られたスティービー・ワンダーの「Don’t You Worry About A Thing」、ビル・ウィザースの「Lovely Day」そしてアーヴィン・ドレイクの「It Was A Very Good Year」などである。またジョンの「Break Out The Blues」やスティーブン・フリーダーの「Fried Blues」はブルースに基づいたオリジナル作曲である。そしてティム・ウィメットの提供した「Perowsky Line」は、バディー・リッチ・バンドなどで曲の製作活動をしていた事で知られるテナーサックスフォンプレーヤーのフランク・ペロウスキーからの課題の様なものである。フランクは彼に曲作りの際コードよりもメロディーに集中するよう指導し、見事それがこの曲に反映されている。



 ニューヨークのトライベッカにあるSilver Liningなどで度々演奏を行っていたジョン・バー・トリオのメンバー、ジョン、ティム、マイクは元々このアルバムをトリオとして記録しておこうと考えていた。彼らの視点はジャズスタンダードの域で表現をする最大の自由というところから発展している。目的は“ジャム・セッション”、ただ即興で演奏し、それを記録すること。



 アルバムがレコーディングされる機会になった頃、ふとジョンはメンバーが大いに演奏を楽しめるメロディーの曲を書いてみようと思い、行き当たりばったり「どうなるか様子見」精神と共に、テナーサックスのスティーブン・フリーダーとドラマーのジェローム・ジェニングスを参加させた。レコーディングの日に向けてジョンは長年のBMI(ジャズ作曲家研究会)や自身のビッグバンドやトリオなどの経験を生かし熱心に曲作りに励んだ。



 ジョンがスティーブン・フリーダーの演奏を耳にしたのはニューヨークのピアモントで行われたターニング・ポイント・ジャムセッションでの事。甘いマスクと実年齢(22歳)より若く見える彼は素晴らしい知識と共に滑らかで謙虚な演奏を披露し音楽の神の化身かと思われる程の才能をも持ち合わせている。彼はバンドのコンセプトに直ぐにそして完全に溶け込むことができた。



 ジェロームとジョンはベテラン サックスプレーヤー、ハウストン・パーソンのアルバム「The Art And Soul Of…」でのレコーディングをはじめNYを中心に数々の演奏を一緒に行っており、いつもリズムセクションを共に大いに楽しんでいる。彼の才能はずば抜けており、ユーモラスでありながらも爆発的で非常に巧妙なプレーをセッションで見せる。彼のバンドのサウンドへの提供は計り知れないほど素晴らしいものだと言っても過言ではない。



 レコーディングセッションは忘れがたい経験になり、個々の才能を持ち合っての共同制作は素晴らしいものになった。レコード会社ヴァンガード・レコードやNYの一大ラジオ局WRVR Radioなどでの長年のエンジニア経験を持つスタジオオーナーのジョン・キルゴアは大のジャズファンであり、彼の好意的な劇励や洞察力に満ちたコメント、スムーズな仕事ぶりがバンドに火を付け、互いの素晴らしい相性と共に全てのマジックがスタジオから始まった...。



 最後に、アルバムカバーの撮影とデザインを手がけ、プロダクションのアシスタントとして頑張ってくれた妻のコオコに愛を送る。



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