増尾好秋 Blog
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2015年9月18日
2015年秋のツアー (2)
(つづき)
計らずもこの夏はレコーディングプロジェクトで過ぎてしまいました。日本から帰って来てから先ずはケイ赤城がカリフォルニアから来て彼のレコーディング。
それが終わる頃に海老原淳子が日本から来て彼女の弾き語りのプロジェクト。
それに淳子のレコーディングに参加したピアニスト Russ Kassoff のピアノトリオプロジェクトとレコーディングが続いたんです。
写真の向かって左から: 淳子 Shirley 私 ケイ
ケイは昨年の夏に来て始めて自分のトリオのレコーディングを僕のスタジオでやりましたが、引続き今回はソロピアノです。ピアノにマイクをセットして、後は自由に気が向いた時にレコーディングというスタイルでした。
丁度ケイがこちらに来た日にプーさんの悲報が入りました。一番大きな影響を受けたミュージシャンはプーさんだったという事を後日ケイ本人から聞いたし、きっといろんな思いが頭の中を駆け巡っていた数日間だったんだと思います。
ケイのソロピアノを待ち望んでいる人達や音楽フアンの方々にとって素晴らしい贈り物になる作品になると思いますよ。
淳子のプロジェクトは彼女のフアンの人達からのリクエスト曲等を中心に2枚組の彼女のプロデビュー30周年記念のアルバムを作る予定でした。しかしせっかくアメリカでレコーディングするんだから数曲こちらのピアニストにもやってもらおうという事になり、そこで僕が選んだのがあまり知名度がありませんが前から好きで気に入っていた Russ Kassoff というピアニストだったんです。
リハーサルも無しにいきなりレコーディングに挑んだのですが2人の息がすごく合っていて最初からとっても良い感じ。スタンダードの曲ばかりですが譜面もアレンジも無しでキーだけを決めてぶっつけ本番でやった訳ですが、さすがだな~っと感心のしっぱなしでした。彼はフランク・シナトラとかライザ・ミネリとか様々の歌手との付き合いが多いので歌の事がよく分かっていて歌伴の名人なんですね。淳子も水を得た魚の様に活き活きのびのびと歌っていて大したものでしたよ。
あまりにも2人のDuoが良かったので、後日又彼に来てもらって数曲追加のレコーディングをして、予定を変更して1枚は2人のDuoアルバムにする事に決めたんです。全曲スタンダードなので彼女の始めてのジャズヴォーカルアルバムが出来上がりました。
もう一枚の弾き語りの方はもっとPopで元気が良くて、落ち着いたジャズヴォーカルとの対比がとっても良いので、今回は彼女の全体像が聴ける素晴らしい2枚のアルバムが出来上がったと思います。
Russ は僕がNYのスタジオを閉めてから僕の連絡先を失ってしまったとの事だったので今回のレコーディングは彼にとっても良いタイミングだったんです。僕のピアノを気に入っているピアニストがこちらには沢山いるんですが彼もその1人なんです。
そこで僕が日本に行く前に自分のトリオレコーディングをやろうという事になりました。
メンバーは Jay Anderson / bass, Dennis Mackrel / Drums
これも良いアルバムが出来上がりましたよ。
彼はインターネット上に自分のジャズプログラムを持っているので要チェックして下さい。
2015年秋のツアーを前に又新しい冒険に出発する時の様な緊張感とワクワクする様な興奮感で気持ちがいっぱいになっています。
Power Spotはベースの箭島君がスケジュールの合わない日があるので出来ない日は日野賢二にやってもらう事になりました。賢二(Jino)とはちゃんと一緒に演奏するのは始めてなのでとっても楽しみにしています。実は30年位前にNYのスタジオでちょっとだけジャムった事があったっけ。日野さんの2人の息子達は小さい時から知ってるんです。ちなみに僕の今使っているペンサ ・サーのギターは長男のマサノブが作ったんですよ。
それでは皆さん、又近いうちにお会いしましょうね。
9月10日 2015年
MASUO
2015年9月17日
2015年秋のツアー (1)
皆さん、お元気ですか。
気がつくともう9月。又日本に行く日が近づいています。
一昨日は久しぶりにNYに行ってArthur's Tavernの仕事やって来ました。夏がぶり返した様な蒸し暑い日で片道2時間のドライブですがギターを弾くのが楽しくて I had a good time !
その夜は平川君のドラムに始めて会った吉武健次君がベース。吉武君はNYで頑張っている若者でBerkleeを卒業してNYに出て来て5年になるそうです。洗足にもいた事があってカナちゃんとは同級生ぐらいとか。先生達にも会う機会があったらよろしくとの事です。
NY の Musicians' Union Local 802 から毎月送られて来る Allegro というマガジンがあります。そのマガジンの最後のページにベーシストの Bill Clow が書いている The Band Room というコラムがあるのですが面白いので毎月楽しみにしています。いろんなミュージシャンが自分が経験した面白い話があるとBillに送るので、そういうミュージシャンならではの内輪話が載るので面白いんです。
今月号にはたまたま Phil Woods からの投稿の話で、1950年代の始めの頃の話です。Juilliard を卒業したばかりの Phil はその晩は Nut Club というところで仕事をしていました。
"One night someone told me Bird (Charlie Parker ) was across the street jamming in Arthur's Tavern (which is still there ! )."
こんな話が載っていたんで嬉しくなってしまいました。歴史ですね。。。
(増尾好秋より 続く…)
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