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YAMAHA THR100H Dualモニターレポート

トッププロクラスの濃密なサウンドを楽しめるアンプ『 YAMAHA THR100H Dual 』！
モニターにて体験された方のレポートをご紹介します。

【EIJI FUJIKI】
福井県越前市出身甲陽音楽院卒業
専門学校や、音楽教室などにてギター講師として勤務。
現在、都内にて初心者からプロ養成まで対象とした完全プライベートレッスンやワークショップを実施中。

『真空管の音』にこだわって

『YAMAHA THR100H Dual』については非常に高い評価を耳にしていたので、個人的にも興味がありました。まずこの製品は必要最小限ながら、どんなギターにも必ずうまくマッチングするアンプです。
チューブレスとは思えないチューブ感ですね。エミュレート系の機材は今まで結構使ってきましたが、ここまで『真空管の音』に仕上げているアンプは他にないです。EQや他のツマミに関しても効きがいいですね。そして何よりこれだけの多機能を有しているのに軽い&低価格です！
このアンプと同じコンセプトの製品は他にも多いと思いますが、今までよくあった『ただの使いやすいアンプ』ではなく、さすが！といった製品だと思います。

このアンプが他と決定的に違うところは、『チューブ感』ではなく『真空管の音』にこだわっている点だと思います。裏パネルを見るとパワー管の設定を変えるツマミがありますが、それこそがこのアンプの最大の個性的な部分ですよね。
僕はジャズフュージョン系なので対応するジャンルが広すぎて、アンプの選択には常に悩まされています。特にクリーンチャンネルと歪みのチャンネルの音圧バランスをとるのに、苦労することが多いんです。
例えばクリーンは歪ませたくないのにアンプによってはどうセッティングしても歪んでしまう…歪まない設定にすると音圧が出ない…など。現場でリハの時間がないときは特に最悪です（笑）なのでこのパワー管の設定でそれを自由に変えられるのは、本当にありがたいですね！
例えばクリーンは全く歪ませたくない場合にチャンネル１のチューブをKT88に設定し、チャンネル２でクランチ～リード用途の設定で使い分ける。それだけで大概のジャンルはいけます。この「YAMAHA 100HD」でチューブの重要性を思い知らされました。

多彩な用途に

そしてチャンネルが独立しているのも秀逸ですね。1CH/2CHの切り替えはもちろん、1CH/2CHの同時出しが可能ですし、そもそも歪みの音が素晴らしいです。ローリーさんがCMされているのも頷けます（笑）
クリーンと歪みの同時出しでスティーブモーズ的なサウンドも可能かもしれませんね。 BOOSTに関しても、単体で使用してもいい音が得られますし音圧も結構稼げます。
そして個人的な用途かもしれませんが、デュアルでチャンネルがセパレートされているので、レッスンやセッションで大活躍してくれますね！
例えば1CHに自分がフルアコ、2CHに相手がストラトの場合など同時出しが出来て、かつ音量音圧を一定に保てます。裏パネルのアッテネーターでワット数を下げれば、音量的に自宅練習用としても使いやすいです。この用途で使用したい人も多いんじゃないでしょうか？
さらに、LIVEシーンでは、1CH/2CH共に裏パネルからキャノンでPA卓に送れるので、LIVE録音も簡単です。ギターの持ち替えが必要な場面でも、あらかじめチャンネル毎に別のギターを繋いでおけば、シールドの差し替えも必要なく便利です！現場のアンプが選べない場合にも威力を発揮しますね。現場にキャビネットさえあれば、このヘッドを持っていくだけで簡単に好みの音が作れます。
DAW用途でも文句無しですね。『デジタルすぎない』という点がポイント高いです！個人的には、本体はタッチパネルとかよりツマミの方が簡単で使いやすいので…。通常のアンプの使い方で、DAWに置き換えてもIRスピーカーのシミュレーションに関しても、他の音源と混ざり、うまく作り込めると思います。指のタッチなんかも出やすいと思います。

総評としてはこだわった真空管サウンドでうまく用途を絞り込んだ、必要最小限にしてかゆいところに手が届くアンプです。