2023年8月19日ヤマハ銀座サマージャズライブ LIVEレポート

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2023年8月19日ヤマハ銀座サマージャズライブ LIVEレポート

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ヤマハ銀座サマージャズライブ 2023

ジャズの魅力が目一杯詰まったライブ
アメリカからシーンの最前線で活躍するミュージシャンを講師として招き、日本の若手ジャズ・ミュージシャンを集中して指導する「Seiko Summer Jazz Camp」。
今年は8月14～18日にミュージックキャンプが行われた後、講師陣たちは日本全国を巡るライブツアーを敢行しました。その初日、8月19日にヤマハ銀座スタジオで行われた「ヤマハ銀座サマージャズライブ」（ヤマハ銀座スタジオ）の模様をレポートします。

目指すのはファンキーなモダン・ジャズ！

2016年に初めて開催された「Seiko Summer Jazz Camp」。若手プレイヤーの育成はもちろんのこと、1950～60年代に一世を風靡したアート・ブレイキー＆ザ・ジャズメッセンジャーズのようなファンキーなモダン・ジャズにあらためてスポットライトを当てたいという意図も立ち上げの背景にはあったようです。
そんな話を聞くと、モダンでグルーヴィーなジャズを身上としたNew Century Jazz Quintetで活躍したピアニストの大林武司やベーシストの中村恭士（今年はスケジュールの都合で不参加）、トランぺッターでありヴォーカリストでもあるベニー・べナックが講師として参加しているのも頷けます。
ライブのオープニングは、シダー・ウォルトンの「Ceder's Blues」。講師リーダーであるトロンボーンのマイケル・ディーズとサックスのディエゴ・リベラ、そしてべナックによる3管のアンサンブルが、バンドの演奏をグイグイと引っ張っていきます。まさにジャズメッセンジャーズが現代に蘇ったかのような迫力で、ヤマハ銀座スタジオに集まったファンを一気にモダン・ジャズの世界に引き込んだのでした。

曲により編成を変えてジャズの多彩な魅力を体現

「Seiko Summer Jazz Camp」の講師は総勢9名。全員が一緒にステージに上がるのも賑やかでいいですが、彼らが選んだのは、曲によってメンバー構成を変えながら、ジャズのさまざまな魅力を伝えることでした。
ヴォーカルのシェネル・ジョンズは「Save Your Love For Me」や「I Didn’t Know What Time It Was」といったスタンダードでソウルフルな歌唱を披露したほか、ジョビンの「Triste」ではギターのヨタム・シルバースタインと大林の3人で静かにグルーヴしていくような緊張感溢れるインタープレイで観客を魅了しました。

個性溢れるメンバーを堅実に支えつつ、ソロではやんやの喝采を浴びていたのが、ドラムのクインシー・デイビスとベースのロドニー・ウィテカーでした。デイビスのドラムソロはまるで高音のスネアと低音のタムやバスドラムが会話しているようにリズミカル。そして今やジャズ界の重鎮のひとりであるウィテカーのベースは包容力すら感じさせるほど優しくて、歌うようなプレイが印象に残りました。

来年はさらにパワーアップ！？

コンサート全体で見るとスタンダード中心に構成されていましたが、後半では「Seiko Summer Jazz Camp」卒業生によるオリジナル曲や、アンコールでは講師として参加することが決まったときにディーズが作ったオリジナルも披露され（特別顧問の守屋純子もピアノで参加！）、おおいに盛り上がって終了しました。
メンバーそれぞれの個性を生かしつつ、楽曲そのものが持つ魅力も引き出していく。ジャズという音楽の楽しさが目一杯詰まったこのコンサート、来年以降も開催数を増やして継続していきたいとのこと。このシリーズが夏のジャズ界を彩る風物詩となる日も、遠くないかもしれません。