生ける伝説、ソニー・ロリンズの伝説を生み出した作品!!
★★★★☆ 2010/10/18
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 駄らいぐまぁ -
レビューをすべて見る
この10/7、ソニー・ロリンズの生誕80歳記念来日ライブを鑑賞した。近年、来日のニュースの度に”これが最後”といったコピーがしつこく書かれ、さすがに”そうか、そろそろ...”といった雰囲気もあったが、ステージの彼は歩く姿こそ老人であれ、そのサックスの音色は”巨人”そのものだった。バックメンバーをこれでもか、というくらいにサックスで煽り上げ、自らも強力なトーンを噴出す巨人。御大80とは思えないバイタリティ、エネルギーを感じた。
その彼の、もう知らぬ人もいないくらいに有名な1枚がこの作品だ。Jazzの聴き方、見方によっては、ひょっとしてかのCharlie Parkerの名作さえ影に隠れてしまう程の知名度。トミー・フラナガン(p)、ダグ・ワトキンス(b)、マックス・ローチ(dr)という伝説とも言えるべき名プレーヤーを従え、その中でも”リーダーはオレだ”という、正に巨人的な存在感を示す。
まるで快晴の空、とある孤島を目指し大海原を旅しているイメージすら思い浮かぶ「ST.THOMAS」を筆頭に、歌心満載の「YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS」、嵐のような激しさを持つ「STORE RODE」と、名演の醍醐味満載の一枚だ。ロリンズの魅力は、ビ・バップのような流れ出るようなアドリブフレーズと違い、テーマから探りを入れているような、何ともワクワクする様な展開にあるのではないだろうか。更に長生きし、ワクワクする瞬間を作り続けてほしい。