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YSL-891Z(トロンボーン)
YSL-891Z...この楽器が、 トロンボーンの新たな潮流を創出する。
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【2009年度下半期:管楽器新商品説明&内覧会】
ヤマハが2009年秋の管楽器新製品を発表。クラリネットやトランペットなど高級感溢れる楽器群が発表された。その中でも@ジャズが注目したのは、カスタムシリーズでは初となるトロンボーン「Z」モデル、YSL-891Z。
今回の特徴的な仕様として以下が挙げられる。
ベルは共付け一枚貼り。母材を直接溶接する「共付け工法」で製作することにより、伸びやかな吹奏感を得られる。さらにベルを僅かに長くし、その分主管抜差からのテーパー(管の広がり方)を再検討している。
スライドの先端はニッケル、本管にイエローブラスを採用。響きとレスポンスの両立が実現している。
目を引くのはバランサー。単なる円ではなくZをモチーフとした新デザインが斬新である。デザイン性に加え、最適な重量バランスが考えられている。
以上の仕様に加え、今回一番の特徴は、2人の開発アドバイザーが協力している点。NYでライブを中心に活躍し、パワフルな演奏が持ち味のワイクリフ・ゴードンと、LAでスタジオを中心に活躍し、美しく繊細な演奏を得意とするアンディ・マーティン。キャラクターの異なる2人の個性を反映した、NYタイプとLAタイプの2本のマウスパイプがYSL-891Zには付属している。素材は同じだが、テーパーが異なる。
今回はこのYSL-891Zを、アメリカでの活動も長く現在幅広いジャンルで活躍しているトロンボーン奏者の池田雅明氏が試奏した。
まずは、従来のヤマハトロンボーン、697Z、895ENを試奏。
「697Zは持ち替えが楽。抵抗も少なく初心者からプロまで使いやすいですね。895ENはトロンボーン奏者、中川英二郎さんのモデル。従来、ヤマハのトロンボーンといえば、明るい音色が特徴的ですが、英二郎さんのモデルはさらに暖かみがバランスよくプラスされ、ご本人らしさが色濃く表現されています。」と今までのヤマハトロンボーンについて説明を加えた後、891Zを試奏。「891Zは、895ENに比べ明るめの音色で、吹奏感はマウスパイプにより、多少異なります。LAパイプはあまり息を入れなくても楽に楽器を鳴らすことができるので、まさにスタジオ向け。楽に吹けて何度もモニタリングできるという点がアンディの好みなのかもしれません。楽に吹けるという点では初心者にもお勧めです。また、横への音の広がりも十分に感じられます。
一方、NYパイプは音が割れずに散りません。思いっきり吹いてもLAパイプに比べ長めのNYパイプは音の芯を壊すことなく、且つ、明るくまっすぐに音が飛ぶイメージがあります。ホールなど、大きな音を吹く環境で効果を発揮するタイプですね。
どちらのパイプもアンディとワイクリフのプレイスタイルがよく反映されています。キャラクターの違うマウスパイプがはじめからセットで付属しているので、用途に合わせてセッティングを楽しめるというのも魅力ですね。」と池田氏は語る。
試奏を聴いてもその違いは歴然。ひとつの楽器で2度おいしい。2人のアドバイザーならではのコンセプトが見られた。
今回は他にもクラリネットやトランペットなど、“ヤマハカスタム”が付く製品群が発表され、高級感溢れるデザイン性や追求された音色を印象づけた。また、対象管楽器購入のユーザーにはミュージックレッスンをオンラインで行うという、時代のニーズに応えた新たな発表もあり、今後も楽器界を牽引するヤマハの動向から目が離せない。YSL-891Zは全国のヤマハ特約店にて10月28日より発売開始!メーカー希望小売価
格は税込¥273,000。
YSL-891Zの詳細はこちら! |
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