ミュージション志木にてギタースクールTSGを主宰
ミュージション志木にてギタースクールTSGを主宰し、あの「逃げるは恥だが役に立つ」や「大貧乏」サウンドトラックにギターレコーディングで参加している『杉山つよし』さんにYAMAHA THR100H Dualの感想を伺ってきました!
杉山つよし(ギタリスト)
現在ミュージション志木にてギタースクールTSGを主宰。 15歳のころギターに出会い、現在はソロやセッションを中心としたライブ活動、BGMやCD制作参加など幅広くギター演奏家としての道を歩んでいる。
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杉山つよしによる試奏
第一印象は対応力の幅がめちゃくちゃに広いアンプ
今回始めて『YAMAHA THR100H Dual』を使用させて頂いてまず第一印象に感じたのは、「良質な、それも得意分野が幅広い真空管アンプだ!」ということでした。
正直今まで色々な真空管アンプを試してきましたが、今になって思うことは「オールマイティーさ」を真空管アンプに求めるのは難しい、ということです。
「クリーントーンはいいけど歪みはいまいち」「クランチの歪みはいいけど強い歪みはいまいち」「強い歪みはいいけど、クランチ、歪みはいまいち」「ジャズトーンにはいいけど、カッティングとかにはいまいち、、」などなど、どのアンプでも得意分野というのは絞られていくものだ、というのが自分の認識でした。
このTHR100ではその「痒いところに手が届かない」ストレスを感じさせない優秀さを感じました。それでいて、いわゆる「何でも出来ます的なマルチ系ツール」を買ったのではなく、「良い音のするアンプを購入した!」という充実感も得られます。
今現在真空管アンプの購入を考えている方には、ぜひ一度THR100Hを試してみてもらいたいですね。
総合的な強さは、圧倒的だと思います。
シンプルであることの大切さ
個人的にも大きく評価したい点の一つが、「シンプル」であることです。
昨今は、非常に多機能なアンプシュミレーターなどが多く発売されていますが、正直その機能の10%も使い切っていない方がほとんどではないでしょうか?
実のところ僕自身も様々な機種を今まで購入してきてそう実感しています、、(苦笑)
これは最近のシュミレーターの「コンピューター化」「大幅な多機能化」により、逆に全ての機能を把握して使いこなそうと考える方が効率が悪い、という理由があげられると思っています。
そんなわけで「マルチ系ツールは必要な部分だけを覚えて使う」ということが基本になると思うのですが、ユーザーとしては「使いこなせていない」不快感はずっと残ったままの利用になってしまうんですよね。
THRは基本的には(物によっては本当の真空管アンプ以上にシンプルな)インターフェース、使用感になっているので、とても気持ちよく使用することができます。音楽と関わる上で「シンプルであること大切さ」を実感させられました。
EQの効きの大切さについて
良く製品レビューなどで「EQの効きが良い」という記述を今まで見かけていたのですが、今回ほどその大切さを実感したことは無かったです(笑)
本当に美味しい所にしっかりと効いてくれるので、幅広い音作りが可能です。
THRのEQツマミをいじってみると、「この音ならこれくらいの音の変化幅かな」という感覚的な予想以上の、より広く、より効果的な効きを感じました。
これは知人のTHRユーザーも同じことを言っていましたね。実際の真空管アンプではあまりここまで使い勝手の良いEQに出会ったことは無いくらいの印象です。
エミューレート系の強みかもしれませんね。
もちろん、EQのかかりはナチュラルなので、実践的な音作りに効果的です。
本当に守備範囲が広い
繰り返しになりますが、真空管アンプってやっぱりそのアンプが持っている「得意分野」があると思うんですよね。
「このアンプ一台で全てのジャンルがいける!!」って思って購入してみたけれど、結局は「このジャンルだとイマイチだな、、」という欠点も見つかったりして、延々と新しいアンプをチェックし続けるという無限ループになんてことも、、(笑)
THRは本当にシンプルなアンプの操作性、使用感がありながら、得意分野を幅広く持っている感じなんです。真空管アンプの購入を考えている人ほど、このアンプをオススメしたいと思います。
真空管アンプを買うのであれば、このTHRも選択肢に!
以前、地方にツアーのサポートメンバーとして演奏に参加させて頂いた際、真空管アンプが飛んでしまい演奏がストップしてしまうことがありました。千人規模のお客様の前で演奏をストップさせてしまい、、その時は現場にあったサブのアンプを利用して数分程度のストップで事なきを得ましたが、改めてチューブアンプの管理の難しさを感じた瞬間でした。
実はその頃からチューブアンプに変わる、真空管ではないアンプの導入を考えていたのですが、このTHR100はまさに!というタイミングでした(笑)
キャビネットの音も本当に上質ですし、今後の演奏活動で実戦投入していきたいと思っております。
1CHでも十分な幅の音作りが!2CHあれば超実践的!
自宅での練習用、録音用として利用する場合は1CHの利用だけでも本当にメチャメチャ幅広い選択肢があるので、全く困ることは無いと思います。
外に持ち出してライブにリハーサルにガンガン使いたいのであればDualで2CHを使えると実践的だと思います。重量もヘッドアンプとしては規格外に軽いので(笑)持ち運び時はありがたいですね。"
2チャンネルの音を別々のスピーカーで出せる
また「THR100H Dual」では、各チャンネルの音を別々に同時出しが出来るんですよね。この「別々に音作りをした音色を混ぜて鳴らす」というのはギタリストでは一度は試したかったシチュエーションでは無いでしょうか?(笑)他のアンプに無いユニークな機能ですし、音作りに無限の可能性が出ると思います。遊びがいがありますね(笑)
リバーブの調整/ブースターの調整/RECでの使用
さて、次は専用のソフトウェア「THR HD_H Utility」での設定ですが、非常にシンプルな作りで利用者に優しいインターフェースだなと思いました。
IMPULSE RESPONSEも利用出来るので、RECでの音作りに拘りたいなんて人にはありがたいですね。
また、リバーブ、ブースターの種類の切り替えが出来る点も、痒い所に手が届く、プラスアルファな要素だなと思います。
真空管アンプの場合、通常、リバーブは一種類でそれをそのまま使うことになるケースが多いですよね。
THR100では4種類の中から選べるので、その人の好みに合わせられると思います。ちなみに自分は初期設定になっていたスプリング・リバーブが好みでした!上質です!
ブースターは3種類あって、それぞれ歪みの量に差があるんですね。クリーンブーストとして軽く歪みを足せるだけなのかと思っていたのですが、それぞれ音色も上質で歪の幅も広く、良い意味で驚きました。
チャンネルごとにブースターの種類も分けて設定しておけばさらに音色づくりの幅も増え実践的だと思います。
LINE OUTでのスピーカーシュミレーターができるので、ライブ中はキャビネットを鳴らしつつ、LINE OUTでPAに直接音を送るという同時出しの手法が可能ですし、とにかく音色の幅が広いのでRecordingでも活躍してくれると思います。
私の場合はTHRのキャビネットを鳴らしてモニターしながら、LINE OUT経由でのレコーディングをしてみたのですが、キャビネットから出ていた音色がそのままレコーディングされているような印象でした。全く違和感が無かったですね。
総評
THR100Hは、真空管アンプをさらに優秀にさせた紛れもない「生の音のするアンプ」、実戦向きなツールだと思います!
特に真空管アンプの気持ち良い「生音」を感じたい、手に入れたい、と思っている人にほど、先入観なしにトライしてみて欲しいですね!!!
作曲、編曲、ギターやキーボードでのレコーディング、ライブのサポート、ギターインストラクター、ギター教則本の執筆等の活動を行う。
近年はDTMでの作曲、編曲、アレンジなどの音楽制作の活動も行い、その他「TVドラマBGM」「TVニュース番組のBGM」「TVアニメ主題歌」「CM音楽」「ゲームミュージック」などへのギターリストとしての録音にも参加している。自身のプロジェクト(sofa-neiro)の作品発表や、セッション活動も行っている。
現在TSGミュージックスクール、の代表を務める。
◆フジテレビ テレビドラマ「大貧乏」サウンドトラックにギターレコーディングで参加。【出演者】小雪 伊藤淳史 成田凌 神山智洋 滝藤賢一 奥田瑛二 内田理央
◆TBS TVドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」サウンドトラックにギターレコーディングで参加。サントラCD発売。「出演者」新垣結衣 星野源 大谷亮平 古田新太 石田ゆり子
2017年1月18日(水)