コラージュからオリジナルへの革命
★★★★★ 2013/2/24
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数々のラジオでも紹介されていて、一躍有名になったのは、本アルバムの中でも二曲目の『AfroBlue』であろう。
これを聴いた時に私は、少ない音楽の知識ながら「JazzyHiphopの革命だ!」と感じた。
今まで私の聞いてきたJazzyHiphopの特徴というのは大体、名作ジャズアルバムの名演奏を切って貼って、上からラッパーの歌詞がのせられるというものだった。
しかし、このアルバムの凄いところはジャズのスタンダードを発想としてHiphopのトラックをオリジナルに作っているところだ。
そんなアーティストの姿勢はジャズマンそのもので、スタンダードのメロディを借りて、自分なりのアレンジを加えるジャズの伝統形式と限りなく似ている。
しかも彼の書いた歌詞は全く独自の世界、AfloBlueなどはある舞踏会の一コマを切り取った和歌のような簡潔かつリアルな描写である。
ロバート・グラスパーはJazzyHiphopを「コラージュ作品」から「オリジナル」に昇華させたと言える革命の中心人物になったと言えるのかもしれない。
まあ難しいこと言ってないで聞いてみたらいいです。
本当にカッコいいんだから。